 
	今年の秋は、食卓を賑わす嬉しいニュースが届いています。
長らく不漁続きで高級魚となりつつあったサンマが、今年は豊漁の兆しを見せているのです。
中でも北海道の根室などでは、例年にないほどの大きなサイズで脂の乗りも抜群の「奇跡のサンマ」が水揚げされ、私たち消費者にとってはまさに朗報と言えるでしょう。
近年、サンマは海水温の上昇や外国船の漁獲量増加といった様々な要因により、その数が激減していました。スーパーでサンマを見かけても、細くて値段が高く、ため息をついた方も少なくないはずです。
しかし、今年は海況の変化で餌となるプランクトンが豊富にあったことなどが功を奏し、脂が乗ってふっくらとした大型のサンマが手頃な価格で店頭に並び始めています。
私も早速、その「奇跡のサンマ」をいただきました!軽く塩をふりシンプルな塩焼きにしたのですが、かつて「庶民の味」として親しまれた秋の風物詩が戻ってきたような、久々の感動を覚える味でした。
そんなサンマの凄いところをご紹介しますね。

サンマは単に美味しいだけではありません。DHAやEPA、ビタミンB12、ビタミンDなど、健康維持に欠かせない栄養素をバランス良く、しかも他の魚よりも豊富に含んでいるという優れた特徴があります。

圧倒的なDHA・EPAの含有量
アジやサバ、イワシといった他の青魚と比較しても、DHAやEPAの含有量はトップクラスです。特に旬のサンマは脂が乗っているため、これらの良質な脂質を非常に効率よく摂取できます。

ビタミンB12の含有量が非常に豊富
サンマは、造血作用を持つビタミンB12を、他の魚の約3倍も多く含んでいるのが特徴です。そのため、貧血気味の方や、鉄分と合わせて貧血予防をしたい方には特におすすめの食材と言えます。

カルシウムの吸収を助けるビタミンDが豊富
魚の中でも、サンマはビタミンDの含有量が非常に多いことで知られています。カルシウムを多く含む食品(豆腐やチーズなど)と一緒に摂ることで、骨を丈夫にする効果が一層高まります。

サンマは内臓ごと食べられる
サンマには胃がないため、消化が非常に早いのが特徴です。内臓に独特の苦味があるものの、焼いて丸ごと食べることができます。この内臓には、ビタミンAや鉄分、ビタミンB12などが豊富に含まれています。
この「奇跡のサンマ」とぜひ組み合わせて欲しいのが、秋のもう一つの主役「きのこ」です。しめじ、まいたけ、しいたけ、えのき、エリンギなど、様々なきのこが秋に旬を迎えます。
きのこは、食物繊維、ビタミンB群、ビタミンD、ミネラルなどを豊富に含み、健康効果が期待できる優れた食材です。特に食物繊維は腸内環境を整え、便秘の予防や改善に役立ちます。
また、低カロリーでありながら、しっかりとした旨味と香りで料理に奥深い風味を与えてくれます。

サンマを焼く前にアルミホイルに包んだきのこを5分ほど蒸し焼きにするのがおすすめ!

きのこをたっぷり使ったきのこ汁は、サンマの塩焼きに良く合うお料理です。
この二つの秋の恵みを組み合わせた料理は、まさに食欲の秋を堪能するのにぴったりです。
今年の秋は、「奇跡のサンマ」と、その美味しさを引き立てる「きのこ」の絶妙なハーモニーをぜひお楽しみください。

長かった不漁を乗り越え戻ってきたサンマの力強い味わいを、今後も心ゆくまで堪能できるよう、心から願っています。