コラム

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2026.03.03
脂質の基本と「アブラ過多」を防ぐ技術 !健康的なバランスを取り戻すための完全ガイド|特定保健指導

毎日の食事で、なんとなく「アブラっこいもの」を避けようとしていませんか?
しかし、脂質は私たちの身体にとって重要な役割も担っています。大切なのは、完全にカットすることではなく「正しい知識でコントロールすること」です。

今回は、脂質の基本知識から「アブラ過多」を防ぐための実践テクニックまで、わかりやすく解説します。

脂質は、炭水化物やたんぱく質と並んで、人間の身体になくてはならない「三大栄養素」の一つです。

しかし、問題視される最大の理由は「エネルギー密度の高さ」にあります。炭水化物やたんぱく質が1gあたり約4kcalなのに対し、脂質は1gあたり約9kcalと倍以上のエネルギーを持っています。

そのため、とりすぎるとあっという間にカロリーオーバーとなり、肥満や生活習慣病のリスクを高めてしまうのです。

「コレステロール=悪者」というイメージを持つ方は多いですが、実は細胞膜やホルモン、脂肪の消化を助ける胆汁酸をつくる材料となる、身体にとって不可欠な成分です。

驚くべきことに、体内のコレステロールのうち、食事から摂取されるのは全体の20〜30%程度に過ぎず、残りの70〜80%は体内の肝臓などで合成されています。

問題になるのはコレステロールそのものではなく、「血液中に溶け込んでいるコレステロールの量が過剰になること」です。極端に避けるのではなく、全体のバランスを保つことを意識しましょう。

脂質をコントロールするには、まず「アブラの種類」を知ることが大切です。脂質は大きく以下の2つに分類されます。

  • 脂(飽和脂肪酸): バター、ラード、ステーキ肉など、常温で「固体」のもの。とりすぎるとLDL(悪玉)コレステロールを増やしてしまいます。
  • 油(不飽和脂肪酸): オリーブオイル、魚の油、植物油など、常温で「液体」のもの。酸化しやすい特徴がありますが、動脈硬化や血栓を防ぐ働きがあります。

さらに、液体の「油」の中でも選び方にコツがあります。

  • 積極的に摂取(n-3系): エゴマ油、アマニ油、青魚(EPA/DHA)、くるみなど。
  • とりすぎに注意(n-6系): サラダ油、コーン油などに含まれるリノール酸。
  • LDLを減らす味方: オリーブオイルなどに含まれるオレイン酸。

望ましい脂質の摂取量は、1日の必要エネルギー量の20〜30%とされています。「植物性油脂なら身体に良い」と思いがちですが、ドーナツや加工食品によく使われるパーム油などは、植物性であってもとりすぎるとLDLコレステロールを増やす原因になります。加工食品の裏側も少し意識してみましょう。

ここからは、毎日の食事でアブラを控える具体的なテクニック(自炊編)をご紹介します。

  • お肉: 脂身の多いバラ肉は避け、ヒレ肉やモモ肉を選びましょう。
  • たんぱく源: お肉ばかりに偏らず、魚や豆腐などの大豆製品をローテーションで食べるのがおすすめです。
  • 乳製品: 普通牛乳などの高脂肪なものは控え、低脂肪の乳製品を選ぶよう心がけましょう。
  • 焼き方: フライパンで焼くのではなく、網焼きにしたりゆでたりすることで、物理的に脂を落として食べることができます。
  • ソースと揚げ物: 生クリーム系のソースを使うときは、お肉自体を脂身の少ないものにするなどバランスを取りましょう。揚げ物は調理後にしっかりと油をきることが重要です。

自炊だけでなく、外食時や食べるタイミングにもアブラ過多を防ぐヒントがあります。

カツ丼や牛丼などの「丼もの(単品)」は、どうしても脂肪分が多くなる傾向があります。外食の際は、お肉や魚、野菜など複数の食材がバランスよく含まれる「定食」スタイルを選ぶのが正解です。

  • 酸化を防ぐ: 揚げ物は時間が経つにつれて油が酸化していくため、できるだけ早めに食べましょう。
  • ドレッシングの工夫: サラダには市販のこってりしたドレッシングではなく、エゴマ油やアマニ油など「良質な油」を自分でかけて食べるのがおすすめです。
  • 夜遅い食事: 夜間は脂肪を溜め込みやすいため、高たんぱく・低脂肪の食材を選び、油を使わない調理法(煮る・蒸すなど)を意識してください。

最後に、アブラ過多を防ぐための大切な4つの柱をおさらいしましょう。

  1. 知る: 脂質は1g=9kcal。カロリーが高いことを知り、とりすぎに注意する。
  2. 選ぶ: 飽和脂肪酸(お肉の脂身など)を減らし、n-3系(魚やアマニ油)を増やす。
  3. 調理: 「網焼き」や「ゆでる」調理法で、物理的に脂を落とす。
  4. 調整: 外食は定食スタイルを選び、夜の食事は油を控える。

脂質は決して敵ではありません。正しい知識を持ち、日々の生活で少しの工夫を取り入れることで、アブラ過多は十分に防げます。もし脂質の多いものを食べてしまった日は、意識して身体を動かし、カロリーを消費するようにしましょう!

管理栄養士より

アブラを上手に味方につけて、健康的な毎日を送ってくださいね。